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雨のおわら風の盆、胡弓が濡れると踊りが止まる

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結論——雨は中断、小雨なら待つ

先に結論を書きます。おわら風の盆は、雨が降ると踊りと演奏が中断されます。小雨で上がりそうなら、待つ。本降りなら、その時間帯はいったんあきらめる。心得はこれだけです。9月初めの空は変わりやすく、ひと晩のうちに降ったり上がったりを繰り返すこともあります。中止かどうかの情報に一喜一憂するより、止まる理由を知っておくほうが、雨の夜をずっと落ち着いて過ごせます。

止まるのは、胡弓が濡れるから

胡弓や三味線は、湿気と雨に弱い繊細な楽器です。胴に張られた皮は湿気を吸うと音が変わり、濡らせば楽器そのものが傷みます。踊り手の衣装や編笠も、濡らすわけにはいきません。雨での中断は、興ざめの中止ではなく、おわらを支える道具と人を守るための判断です。理由がわかれば、待つ側の気持ちも変わります。

そもそも9月初旬は、立春から210日目の「二百十日」。台風が来やすい風の厄日にあたり、その風を鎮める祈りとしてこの行事が続いてきた時期そのものです。雨が降るのは偶然ではなく、いわば暦の必然。祈りの祭りが天気に揺さぶられるのは、はじめから織り込み済みなのです。

待ち方の技術

  • 傘より両手のあくレインウェアが向きます。狭い坂道では傘同士がぶつかります
  • 濡れた石畳は滑りやすいので、底がしっかりした滑りにくい靴を
  • 本降りの間は無理に粘らず、小やみを待って通りへ戻るのが基本です

雨脚が強まると、通りの人たちは自然と軒下へ寄り、静かな人だまりができます。誰も帰らず、雨音の下で音が戻るのを待っている。そのあいだ、濡れた石畳がぼんぼりの明かりを映して光ります。雨が上がった通りは空気が洗われて、戻ってきた胡弓の音がひときわ澄んで届きます。待つ時間も、祭りのうちです。